田舎に戻ってきて気づいたことがあります。お年寄りが亡くなると、土地や家屋に相続の問題が発生する。ところが、若い人は都会に出てしまい、兄弟バラバラの場所に住んでいて、相続の解決がなされないままの状態になってしまうことが多いのだそうです。そういうケースの場合、土地や家屋の名義は亡くなった人のままになり、誰かに買ってもらうようなこともできません。

　また、相続人がない場合は国の資産になるようですが、昨今、国にお金は無く、その土地や家屋は、やはり放置のままのようです。

（名義はお亡くなりになった人のままだそうです。変な法律ですよね？）

 

　最近、田舎は年寄りばかりです。山の管理も難しければ、田や畑を耕作するのも難しい。かつては綺麗に稲穂が実っていた田圃や、緑の野菜が並んだ畑が、荒れ地になっているケースも多いです。

　国土維持管理隊の一員として、お金を掛けて草刈りなどは遣っているのですが（当事者は一銭も儲かりません）、どこの家でもそう出来るわけではないと思います。

 

　ところで、東日本大震災での原子力発電所事故の頃から、自然エネルギーが見直され、各地で太陽光発電所が建設されるようになりました。私の住む町でも「メガソーラー」を建設、稼働しています（上の写真の中央の青く光る部分）。

　太陽光発電は原子力に比べて、ずっと安全な施設で稼働できますが、自然そのままの姿を愛する人の中には、そうした人工物の配置を嫌い、建設に反対する人もいます。町で計画して作った場合以外にも、開発業者が山を買って山を切り開き、太い松などの木を切って土地を慣らし、パネルを並べるケースも見受け、写真右手の森は、今、その工事の真っ最中。

　町の「自然と文化を守る会」などでは、自然景観をなんとか守ろうという動きをしていて、「遺跡や良い水の出る場所などの土地開発には反対」で、町長へのお願い署名をしていたりしますが、一方で、石油料金の高騰の折、日本では何とか代替エネルギーで電力を賄わなければならない事情も分かります。

　何とか、もう少し土地の利用方法に工夫が出来ないかと思います。

 

　日本の山は急斜面が多く、山を切り開くのは上策に思えません。大雨のときには、斜面に設置された設備は流される危険性が高いし、二次災害の可能性も高い。

　昔、ソーラーパネルを扱った身としてみると、ソーラーパネルは単体で１２Ｖのバッテリーに合うように、ある程度小型にも作られていますが、実は地面平行置きして並べる方法なら、もの凄く簡単に設置が可能です。ソーラーカーの場合、車に設置するのは3時間ほどでも作業が終わるくらいです。

　発電効率を最大にするべく、角度を付けて設置したり、山の傾斜に合わせてうねるような難しい設計をしているケースも多々、見受けますが、地べた置きでも発電量にさほどの差はないです。であるならば、

　田舎の（かつては田や畑だった）荒れ地は、ほぼ平ら。しかも道が付いていて、機材の運搬や搬出にも問題がありません。

　年寄りにしてみると、その土地は要らない訳なので、すべてお国で引き取って管理し、ソーラーパネルをお国で購入して、そういう土地に並べ、生まれたエネルギーの代金はすべてお国の収入とする、のは駄目でしょうか?

　ソーラーパネルは撤去も楽です。数十枚のパネルを並べても、たった一日で撤去できます。

　今の太陽光発電所は永続を考えて設置しているかと思いますが、仮設置・仮稼働で1年とか3年とかで運用する。土地を使う段になったらパネルを引き上げ、別の場所へ運んで使用する。

　そういう方法はいかがでしょうか？

 

　その昔、浜松で、使わなくなったパネル数十枚を借りて来てバッテリーに充電、その電力で電動バイクを走らせる大会、というのに参加したことがあります。ソーラーパネルは借用！　ということも出来るんです。

 

　農地法があって、そういう方法はすぐにはできないかとは思いますが、衆議院解散でバンザイなどしていないで、国会議員の人達は真剣に田舎の土地問題、エネルギー問題を解決できる案造りをしてほしいと思っています。

 

　誰かが言ってましたが、原子力発電所の良いところは、「従業員を多く抱えないと稼働できない設備であるがために、多くの雇用が期待出来る点」だそうです。発電が目的というより、雇用問題解決のために作っている・・・。

　太陽発電は建設時には工事の仕事があるが、後はお金が掛からないので、雇用問題解決案としてはダメ！なんだそうです。

　

　原子力発電の危険性は十分に世に知られてきていると思います。未来永劫残ってしまう放射性物質の管理にも、めどが立ちませんでしょう？

　日本は地震や大雨・洪水の多い土地柄。であるなら、いつでも後戻りできる融通性のある方法を採用して、エネルギー問題を解決して行って欲しいです。