[Result]
1.9Mhz CW = 0 (残念)
3.5Mhz CW = 135
7MHZ CW = 123
10MHZ CW = 72
14MHZ CW = 29
18MHZ CW = 285
21MHZ CW = 521 , RTTY =12
24Mhz CW = 76
28Mhz CW = 50 !!
※QSO with JA = 75.9%
[Picture] Le Uaina Beach Resort Hotel
[Rig] TS-480HX (CW:80w~150w RTTY:70w)
[Used Antenna]
Micro Vertical for 160m,80m,40m,30m,20m,17m,15m,12m,10m
[QTH] Faleapuna Apia Samoa
[Comment]
Enjoyed operation especially at 15m,12m,10m CW . Condition was good !
There was electricty stop (3hours) on Friday .
[計画]
CQ誌に、「春分と秋分の前後は、電波伝搬状況が良い」と云う記事があり、それを参考に、この時期を選びました。行く先はウエスタン・サモアです。
ウエスタン・サモアはニュージーランドの北東、ニウエやトンガの近くにある国で、人口は18万人ほど、大きな二つの島=ウポル島とサバイイ島からなっています。現在、アマチュア局は1局だけ常設されており、オペレータは日本人の方(5W1SA/佐久間さん)。早速メールを送って、アドバイスをいただくことにしました。
運用の候補地としては、ウポル島北東部にあるUaina Beach Resortと、APIAの町中にあるVaiala Beach Cottagesを上げてくださったのですが、今回は多くのハムが訪れて実績のあるUainaリゾートを選びました。日本との時差は4時間で、向こうが進んでいます。(9月27日からサマータイム実施で、5時間の時差になります)
ライセンスは佐久間さんの尽力で順調に取得ができ、出発前にコピーをメールで送ってもらいました。(佐久間さん、ありがとうございました!)
成田は9月20日夕刻の出発予定だったのですが、この日は台風16号の影響で飛行機の出発が大幅に遅れ、定刻に搭乗者全員が席に着いたものの、その時点で26機の待機が発生、結局3時間遅れの出発となりました。むろん、オークランドへの到着も3時間遅れです。これがトンガかニウエへのトランジットであれば、確実に間に合いませんでした。その後、オークランドの空港内で4時間待ってからアピアへ向かい、現地時間21日の夜10時過ぎにリゾートに到着しました。
(日本からは遥かに遠いですね。ちなみに、オークランドまでの機内座席の90%は、埼玉の高校生の修学旅行チームでした。前回一緒だった中学生とは違って、マナーが大変、良かったです)
[運用概要]
[9/22] 木曜日
チェックインを済ませ、朝食後にアンテナを建ててから、18MHZで運用開始しました。JSTでは午前6時頃です。コンディションがよく、JST9時頃までに153局とQSOができました。
今日はこちらの時間で18時から佐久間さんとアイボールQSOの予定があり、また、セントラル・キリバスで運用予定のポーランドのチーム(かの有名な3Z9DXさん、SP3DOIさん、SP7VCさんの3名)ともお会いできる、ということで、その時間帯のQRTをアナウンスし、帰宅後もローバンドで運用するべく40m用のアンテナを設営しておきました。
その後、再度18MHZで運用を続け、TOTALでは192局まで進みました。午後18時前(JSTでは午後2時)に佐久間さんがみえられ、彼の車でポーランドチームの宿泊所に向かいました。
写真は、ポーランドチームの3名の方と佐久間さんです。皆さん、気さくな方で、紳士的な方ばかり。キリバス政府との交渉で苦労をされている状況でしたが、楽しくペディションのお話を伺うことができました。
SP3DOI/LESさんは、数えきれないくらい沢山の場所に出かけておられるそうです。
「あとはサンフェリックスに行ければ・・・」と言っておられました。
3D9DX/DOMさんは、P5でも運用された超有名な方で、体格の立派な精力的な方。まったくもって、「凄いなあ!」の一言でした。
SP7VC/PREZさんは英語は苦手だそうですが、名刺をいただき、しっかり握手を貰いました。
このチームは、今回は個人ヨットで航海してのペディだそうで、レベルの違いをヒシヒシと感じました。今回の私の無線貨物はスーツケース含め21.4kgですが、彼らは200kgだそうです。それに、プラス発電機! とても真似は出来ません。
帰りに佐久間さんとマクドで食事を済ませ(向こうではお値段の点で、高級のお店なのだそうです)、帰宅後はJST22時頃まで7MHZCWで運用しました。コンディションは良く、信号は大変、クリアでした。
[9/23] 金曜日
アンテナが昨日のままだったので18MHZで続けて運用開始し、JST7時半頃になったらコンディションが下がってきたこともあって、試しに21MHZにトライしてみることにしました。アンテナ設営は15分ほどで完了し、運用スタートしました。
サイクル24は、既に太陽黒点数が下がってきていてハイバンドは苦しい状況と思いますが、信号は大変よく届いて、10時頃にコンディションが下がるまでに170QSOほど出来ました。
ココス島での経験で、こういうときは意外とそのまた上のバンドが開ける可能性があります。そこで、再度アンテナを張り替え、24MHZに出てみました。正解でした。非常にクリアな信号で、嬉しいくらいの音が聞こえて来ます。ところが、「これは良いな!」と思っていた矢先、突然、停電に見舞われました。
ホテルの方に聞くと、「こういうことは滅多になく、今年はこれが初めてだ」とのこと、「コンディションが下がらないうちに、復旧するといいなあ・・・」の願いもむなしく、この日は延々3時間の停電となりました。島での発電所は一か所で、島中、停電だったそうです。
電気は幸いJST14時に回復したのですが(サイクロンに見舞われたときは、2週間停電していたとのこと)、すでに24MHZは聞こえなくなっていたため、上がっている21MHZのアンテナに切り替えて聞いたところ、信号はバッチシ! その後、21MHZはずっと開き続け、JAの他、W、EUからも沢山呼ばれ、楽しい時間を過ごすことができました(この時間帯が、今回のハイライトでした!)。
19時を過ぎた頃、夕食のコールがあり、非常に残念でしたが途中中断でレストランに向かいました。(20時でオーダーストップです)
金曜日の夕食時は踊りの披露があり、サモアン・ダンスですね。司会のおじさんのトークが上手く、何度も「声の応答」をさせられてしまいました(エーイ、ホイ・・・みたいな)。
夕食後は、JA出発前に友人から80mでリクエストをいただいていたので、3.5MHZに出たのですが、さすがに21MHZのような信号具合ではなく、信号は弱め。小型ヘッドフォンを手で押さえて聞き耳を立てながらのワッチでしたが、JA/Wから呼んでいただき、80局余りと交信ができました。ちなみに、Wは結構良い信号で届きます。
[写真]
今回は部屋に良い机がなかったので、設置されていた小型テーブルにリグを展開して運用したのですが、椅子の方が高いため、途中で腰に来てしまいました。
[9/23] 土曜日
この日はJST9時から「CQWW-RTTYコンテスト」が開催されます。それまでの時間は、開いているバンドを探しながら、まずは14MHZにQRVしたのですが、信号が弱い! 蚊の鳴くような感じです。その後18MHZにも移ったのですが、ここも同じ。さらに上がって21MHZに行ったのですが、あまり状況は変わりませんでした。(特に14MHZが厳しかった)
その後、コンテストの様子を聞きに行ったのですが、どういう訳かMMTTYの使い方が思い出せず、「今回は明日、佐久間さんに新しいソフトを教えてもらいながら出れば良いや・・・」と、昨日の雪辱をと思って、24MHZCWに出てみました。これは正解でした。ほぼ1時間ほどバンドが開け、沢山のJA局と交信ができました。また、その後、28MHZに上がったのですが、これも素晴らしく、50局余りのJA局と交信ができました。
午後は14MHZ/21MHZと出て、夕食後は3.5MHZに出ました。3.5MHZは昨日よりもコンディションは下がりました。
※この辺りで、ビールを三日間飲んでしまった結果の失敗が出て、胃が痛み、[アンダー調子]に入ってしまいました。
サモアのビールは、写真のものでアルコール度7%です。日本を出る前から胃の調子が下がっていることは自覚していたので、気を付けていたのですが、ついつい・・・。金曜日も350mlビンを2本、いただいてしまいました。つい、調子に乗るのが悪い癖です。
[9/25] 日曜日
この日は佐久間さんとのアイボールで、RTTYソフトの使い方を教えてもらいました。(佐久間さんの友人の方ともお会いしました)
ソフトは[Fldigi]というもので、[N1MM]ロギングソフトと一緒に使うと、非常に便利。MMTTYだと、[リサージュ波形を見ながらVFOつまみをいじって選局し、コーディングされた文字で相手を認識]しますが、この場合、相手の信号は必ず短い時間(CQの時間)で切れるので、再度探すのに時間が掛かります。しかも、コールサインや599などの意味のある文字以外の文字が、画面にいっぱい表示されがちで、文字化けも多い。よって、毎回、大変、苦労をしていました。
ところが、この[Fldigi]が良いのです! 画面に示されるウォーターフォールが大きくて見やすいうえに、そこの二つのバーをクリックすることで、聞いている周波数が自動調整され、相手のシグナル文字も、意味のある文字がほとんどです。さらに、コールサインクリックで送信準備ができ、応答も簡単! (フィルタの範囲内なら、VFOつまみを回しませんです)
「ああ、これならコンテストにも使えるなあ・・・」の感想を抱きました。また、並んでいる信号の差が100HZでも、相手に混信を与えない方法もあるとかで、ともかく驚きました。日曜日は、ほとんど彼の実演を見るのに費やしました。
夕食は胃が痛いのでビスケットで済ませ、3.5MHZの開くJST20時から21時半まで運用しましたが、コンディションは更に下がって、オセアニアのVK/ZL/E6/G44以外は苦しかったです。
※ニウエで運用中のE6AC局に対し、5月に私が運用したコールサインが再度発給されたこともあってQSO確認のメールが来ます。暫くその対応に追われました。ニウエの担当者の方はこうしたケースでアマチュア局が苦労することまでは、気が付いていないのかと思います。
(E6AAからAZまでが、通常申請で使える部分だそうで、特別コールの申請には、追加でNZ$50ほど掛かります。今回は同じ年での発行だったこともあり、AD以降のコールサインを発行していただけると有り難かったのですが・・・)
[写真]
今回のアンテナです。奥のがハイバンド用で、カメラ三脚に5.4mの釣り竿を立て、MVエレメントを這わせました。設置時間は15分ほどです。
手前はローバンド用で、10mポールを3本のロープステーで保持しています。(今はポールを下した状態です)
今回、風はほとんどなかったですが、雨は何度か来ました。雨の後は、多少の周波数調整が必要でした。
[9/26] 月曜日
昨日の「CQWW-RTTYコンテスト」の様子から、少しは実績を残そうと、MMTTYでコンテストに出てみました。最初に強力局を聞いて、コールサインを取って置き、それに応答するスタイルです。効率は悪いですが、まあ、私の実力ではこんなところ。W/JAのほか、南米局と1交信できました。(結果には満足です)
胃の調子がなかなか回復しないことと、こちらは5時間の時差で、あっという間に夜が来ること、それに雨が降ってくるので、早めの撤収を考え、コンテストを最後に、運用を終了しました。
[全体的に]
秋分の日を当てにして出かけたのは正解だったようで、21MHZ/24MHZ/28MHZで沢山の交信ができたのは、大変嬉しかったです。アンテナが、[3mほどの長さの同軸ケーブル+小型コイル+70cmくらいの電線(ACケーブル利用)]というチャチなものなのに、この結果には非常に驚きました。特に21MHZはよく開け、IZ辺りからの信号で、メータがビュンビュン振れるのにはビックリしました。コンディションが良い時のハイバンドの信号は、「ハッキリクッキリ」で、聞いていて凄く気分が良かったです。21MHZはトータルで、500QSOを超えることが出来ました。
[3.5MHZ]
5月のニウエでもそうだったのですが、JAまでの距離が遠くてかなり厳しいです。交信できているのは、JAの強力局のみと思います。もう少し高さのあるアンテナでないと、受信が厳しい。今回は小さなフェージングがあって、一文字ずつ聞こえたり聞こえなかったりして、JA1?A?みたいな信号になるケースもありました。こういうときはコールサインを連続3回打ってもらうとかでも、良いかと思いました。
5Wには佐久間さんがおられるので、彼の新アンテナに期待したいと思います。
[1.9MHZ]
二日間、日の出時間前後に聞いたのですが、信号無でした。CQもだいぶ出したのですが、ダメでした。ブータンで聞こえたようなノイズ感じがなく、信号が来るぞ!、という感じがありませんでした。ヨーロッパの方からリクエストがあったのですが、120w出力+10mHのアンテナでは、やはり厳しいですね。
[アンテナ]
南大東島とモンゴルでの結果から、アンテナは全バンド、マイクロバートを使うことにしました。主な理由は以下です。
①設置が容易(地面から垂直に伸びた釣り竿が一本あれば、設置可)
②調整が容易(上エレメントに、電線ひげを付けるか、電線を少し曲げるだけ)
③打ち上げ角が低い!(CQ誌の記事で、デルタループは給電位置によっては、47度の打ち上げ角
となることを勉強しました⇒MVが勝ります)
④軽いので、運搬が楽
今回は基本はモノバンド用を持って行ったのですが、24MHZ用は28MHZ用に作ったものの共用です。制作時に試しに上エレメントを伸ばしたらSWR1.1以下に入ったので。
⇒実は、そのアンテナは21MHZでも大丈夫です。3バンドを一個のアンテナでクリアできることになりますね。(ギボシで、上エレメント延長式にするのが、工作上は良さそうです)
設置位置は、コテージの前が通路で、多くの人が通ることもあって、広場にアンテナ設置はしないことにし、部屋のすぐ脇に立てました。3.5MHZ用や7MHZ用はポールが10mなので、エレメント上部が屋根の上に出ますが、14MHZ~28MHZは長くても5m以下で、エレメントが屋根の上まで出ていないくらいです。上記の写真で見ていただけるように、家屋と家屋の間に設置したアンテナだし、横にコンクリートの壁はあるし、それなのに、特に24/28MHZアンテナは活躍してくれ、本当に驚きました。(ただ、手前方向には建物はありません=広場の先が海で、そちらがJAです)
※3.5MHZでは下エレメントを兼ねる同軸ケーブルが地面に這う形になりますが、今回は割り当てていただいた部屋のベランダと植え込みの小さな庭が絶妙の位置にあって、その中にコンパクトに収まりました。
マイクロバートは不思議なアンテナです。上手くすると7/10MHZ辺りも、同じコイル+同じ同軸ケーブル(下部エレメント)で済むかもしれません。もう少し実験を続けたいと思います。
ちなみに、現在の私のTS-480HXの出力は、最大で以下になっています。ダミーロードでの試験で、電源電圧を上げても同じでした。どうしてそうなるのかよく分かりませんが、定格は200W機なのだと思います。一度メーカーに問い合わせしてみようかと思っています。
・1.9MHZ,3.5MHZ,3.8MHZ,18MHZ,21MHZ 120w
・7MHZ、14MHZ 140w
・10MHZ 180w
・24MHZ 100w
・28MHZ 80W
10MHZのみ、突出して良いですね。28MHZでの送信時は、電流をかなり引っ張る感じが、電源電圧の低下で分かります(効率が悪い感じです)。電源は13.5Vを維持していてもこの状態です。
PS:家に戻って調べたところ、終段の出力コイルが片方断線してました。10mを運べるようにと購入した大きなスーツケースを使っての初めての旅で、無線機が内部で揺られてトロイダルコアの重さで線が切れたものと思います。(以前に電源で同じことが起こったので発見できた)ハンダ付けとシリコン固定材でコアを固定する修理をしたところ、順調に定格出力が出るようになりました。全てのバンドで200Wが出ています。
[インターネットのアクセス状況]
サモアでのインターネットは、[bluesky]という会社が運用している[bluezone]というシステムでのWiFI利用です。ホテルで写真のようなカードを買い、そこに記載されているUSERnameと、PIN番号(暗証番号)をWEB入力する方法ですが、2時間で20タラ(約850円)掛かります。インターネットのクレジット払いだと、7時間で80タラというのと、連続使用で50タラというのもあります。
2時間パスは、2時間までは何回でもアクセス可能で、15日間は有効ですが、終了時に毎回切断が必要で面倒くさい! また、5分単位での計測のようで、入ったり出たりするため、効率が悪かった。
また、ホテルのロビーでは信号強度はバッチシですが、部屋の中では弱く、受信には使えますが(これでクラスタを見ていた)、メーラー送信時は「しばらくお待ち・」の表示が出てしまいます。
この場合は、部屋を出て3歩歩くと「送信完了!」となります。ほんの少しの信号強度UPで使いやすい圏内に入るので、まあ、許せる範囲かなあ、とは思いましたが・・・。
結局、今回はこのカードは9枚使用しました。最後の1枚は、帰国時に国際空港で使い始めたのですが、チェックインロビーではバッチシですが(目の前に、blueskyのブースも設置されている)、イミグレーションを入ると信号が落ち、ホテルの部屋の中と同じような状況でした。
[その他編]
空港はウポイ島の北西の海岸端にあり、APIAまでタクシーで40分ほど、ホテルまでは更に40分ほど掛かります。予約時にホテルに送迎をお願いしておいたら、タクシーが出迎えに来てくれました。個人タクシーで、「シオさん」です。英語での会話になりますが、彼には最終日に少し観光をお願いし、アピアの教会や、サバイイ島の写真撮りに出かけました。私はAU携帯を使っていますが、ここでも使用可能で、大変便利に感じました。
アピアの教会から西の方角の景色です。
左手は政府の庁舎。黒い伝統的な造りの屋根はINFORMATION CENTER。
サバイイ島はウポル島より大きい島ですが、ほとんど家屋がありません。住んでいる人も少ないそうです。ウポル島からは朝のフェリーで島に渡り、夕方戻ってくる、というのが観光の典型的なパターンだそうで、フェリーは空港のすぐそばの埠頭から出て、約1.5時間の航海です。写真を撮ったのですが、雲に覆われてしまって、ほとんど分かりませんね。
街や村を走る懐かしいデザインの乗り合いバスです。色がカラフル、TOYOTA製でした。
サモアの方は親切で、滞在は暖かい感じがしました。特に、リゾートのスタッフの方は、皆さん素敵で素晴らしかった。