[Plan=JW]
お空のコンディションは、春分と秋分の頃が良いのは良く知られていることかと思います。当初、一つ前の週を狙って3泊4日の日程で計画したのですが、当てにしていたノルウェイアマチュア無線連盟所属のシャック(JW5E)が予約済となってしまい、急遽、1週間遅らせて出発することになりました。
また、事情として、オスロからスヴァルバードへの飛行機代が、決まった曜日しか安くないことと、シャックのレンタル料金が意外と高く、宿泊用に他に宿も取らないといけないルールで予算上、厳しい。それで今回は思い切って一日の滞在とし、実運用時間=10時間程度で考えてみました。
そのJW5Eのシャックですが、HPに詳細は載っているのですが、場所がどこかが書いてありません。日本から予約できる宿はロングイヤービーンしかなく、それを確認するのにだいぶ時間がかかりました。(結局、予約できる宿から350mほどだそうで、何とか実現にこぎ着けました)
運用はHFか50MHZ。モードはCWorFT-8の予定です。
[Plan=LA]
スヴァルバードへの飛行機の時間に合わせて、オスロでの宿を選択しました。もし可能なら、LAでも出てみたいと思います。(14MHZFT-8の予定ですが、CWかも)
ムンクの絵が飾られている国立美術館にも行ってみたいと思っています。
[ライセンス]
Norwegian Communications Authority に関係書類をメールで送付し、JAコールサイン形式での運用許可連絡をいただきました。
[JW/JA0JHQ 運用概要]
ITU=18 CQ=40 Grid:JQ78tf
[Result]
CW=3QSO、FT8=21QSO
[9月26日]
オスロから約3時間のフライトで、12時40分頃、スヴァルバードのロングイヤービーンに到着しました。到着してまずはビックリ、外は雪です!
タラップを降りただけであまりに寒く、体がブルブルと震えてしまいました。
9月末でマイナス5度の気温です。今日の雪が今年初めての雪なのだそうですが、さすがに9月での雪は想定していなかったので防寒具は持参してなく、仕方がないのでワイシャツの重ね着をし、道を歩くときは雨具を着ることにしました。(こちらはいつもザックに入っている)
一旦ホテルにチェックインし、WIFIが動いたので、出発前からメールをやり取りしていたJW5Eの会長さんに到着を知らせました。
準備をしてホテルからシャックに向かいましたが、急な雪のおかげで難路です。閉口していたら、途中で会長さんが車で迎えに来てくださったのに出会い、非常に助かりました。感謝です!
写真はJW5Eのシャックです。ロングイヤービーンの中央を流れる川の河口の右手にあり、海岸べりに建っています。また、シャックの前には下の写真のタワーがあって、ここに立派なアンテナが載っており、これを当てにしてやって来た訳ですが・・・。
JW5Eでは、ルールとして、自分のリグを使用することになっています。というのも、今までに何度か壊れた(壊された)ことがあり、その修理が金銭/期間ともに大変なのだそうです。
ということで、今回はTS-480HXを持参しました。
平日なので会長さんはお仕事があり、手早やに部屋の使い方やトイレの使い方、アンテナの切り替えのことを聞いて、一人で運用を開始しました。
ところが、まず最初から失敗です。出発前に電源を220VにSW設定していたつもりだったのに、そうなっておらず、早速一つ目の電源を壊してしまいました(イースター島でもやってしまったので、懲りているなずなのですが、本当にオバカです)。
仕方がないのでその後は慎重に行動し、残った1個の電源を壊さないように、150W以内での運用とすることにしました。
アンテナは、以下が設置されています。
1)10/12m用YAGI
2)15/17/20m用YAGI
3)30m用バーチカル
4)40m用スローパ
5)80m用ダイポール
6)160m用ダイポール
まずは2)を繋いで20mから運用を開始したのですが、SWRが∞です。前日までドイツの方々が運用をされていたので、アンテナは問題ないはずなのに、どうも変です。仕方がないので会長さんにはその旨連絡し、別のアンテナをトライすることにしました。
いつものようにアンテナアナライザを持参してきているので測ってみると、1)もSWR=2.5で周波数ずれ、3)は20mに合っている。4)はSWR=2くらい。5)は3.8MHZに合っています。6)は眼中になかったので測りませんでした。
雪の影響が出ましたかね?
それで、本道ではないですが、3)の30m用バーチカルで、20mで運用してみました。480の指示値ではSWR=1.5以下です。最初にCWで試したのですが、どうにも信号が弱い! それでFT8に移ったのですが、今度は送信ができない! その原因を探すのに、だいぶ時間を費いやしました。
原因は、マイクコネクタの断線でした。予備のケーブルで何とか動くようになりました。
運用としては、以下に尽きます。
※受信信号は結構しっかり届いている。ヨーロッパだけではなく、WやオマーンやJA、パラオも見える! なのに、送信側がすこぶる厳しい・・・、取ってもらえない・・・。
呼んだ8割は返答無し、答えのあった2割も、半分は一回でお終いでした。
北極圏では電離層が不安定で、送信電波が最初に当たる層が希薄かつ変化が大きく、なかなか安定して先方に飛んで行かないのでは? と、思いました。
(後で会長さんに聞いてみたら、今日のコンディションは受信が良くて送信側が良くないが、逆のケースもあるとのことでした)
夕方、会長さんが来られたのでアンテナの接続を見てもらったりしたのですが、既に日が沈み始めていますし、とてもタワー側は見れないので、今回は現状のまま運用することにしました。
実績はトータルで十数局です。ラッキーなことに、こういう状況の中でも、JA局とは交信が出来ました。
※シャックの裏はすぐに海岸で、窓から写真のような風景が見られます。
だいぶ眠くなったので、車でスーパーまで送ってもらって買い物をし、ホテルに戻って寝ました。飛行機疲れもあったのか、結局、2時過ぎまで寝てしまいました。
夕食用に買ったパンが、頗るおいしかったです!
[9月27日]
夜2時に目が覚めたので、再び防寒スタイルで出発しシャックまで歩きました。その後、明け方の5時頃まで、40mを含め運用してみましたが、受信はいっぱい見え、送信は「からきしダメ」のコンディションで、なかなかQSOとしては進みませんでした。
その後一旦ホテルに戻って食事後、チェックアウトしてMUSEUMを見学、のちシャックに戻って1時間ほど運用し、今回の運用を終えました。
お天気はこの日は良かったのですが、日が出てきたのは10時近くで、頗る寒い。
写真は私が泊まったホテルです。新しい設備で、中は暖かく清潔で快適でした。スタッフの方も、にこやかで応対が良く、親切でした。
帰りにシャックのノートを確認したら、1週間滞在したドイツの局は、1,500QSOできた、とありました。リニア使用ですかね?
ともあれ、ここでのQRVは、時節と設備確認が大事かと思いました。
いろいろとお世話いただいたJW5Wの会長さんには、心より感謝しております。
[LA/JA0JHQ 運用概要]
ITU=18 CQ=40 Grid:JO59iw
[Result]
FT8=19QSO
[9月27日]
午後の飛行機でトロムソ経由でオスロに向かい、空港からはFLYTOGET(高速電車)でオスロ市内に移動して、予約してあった宿に入りました。すでに21時過ぎで眠くて仕方がありませんでしたが、持参した釣り竿アンテナでFT8を試みました。出力は50~90wです。
昨日までマイナス5度の世界にいたので、オスロも数度と思いますが、意外と暖かく感じました。写真は翌日朝の彫刻公園です。
少し南に来たので、若干コンディションは良くなったかと思いますが、送信が厳しいのは同じで、一度はR-何々が取れても、それ以降続かないケースが多かったです。夜1時過ぎまで頑張りましたが、19QSOでした。20mが途中でコンディションが落ち、40mに切り替えました。東側はヨーロッパロシア、南はポルトガルまでが、やっとでした。
[観光編]
[ロングイヤービーンのMUSEUM]
街の北側にあります。シャックからは5分ほどの距離です。島の開発の歴史や、そこに棲んでいる生き物たちの説明/剥製が展示され、炭鉱でどのような感じで仕事をしていたかの説明もあります。1フロアでの展示の小柄な博物館でした。
[Oslo市内]
空港から乗ったFLYTOGETはオスロ・セントラル駅まで行きますが、私は一つ先のナショナルシアタ駅で降り、そこからトラムで宿まで行きました。
翌朝はまずは彫刻公園を見に行き(往復で1時間ほど歩いた)、その後、歩いてシアタ駅まで戻ってから、有名なムンクの「叫び」の一枚が飾られている国立美術館を見学しました。ただ、美術館は10時開館で、11時半には空港に戻りたかったため、絵はムンクしか見ていません。(帰りの便は13時半出発) そういう訳で、28日の朝は、非常に慌ただしかったです。
以下に写真を載せます。
1)彫刻公園の並木道
2)各所に彫刻が並ぶ
3)ノルウェイ王宮
4)馬に乗ったお巡りさん
5)シアタ駅前のモニュメント
6)シアタ駅前のトラム(路面電車)
7)ムンクの「叫び」 写真OKでした。むろんフラッシュなしです。
8)FLYTOGET 先頭部分がウォンバットみたいです。
[ノルウェイでのお金の支払いと物価]
ノルウェイの通貨はNOK(ノルウェイクローネ)です。NKRとも表示されます。1NOK=約16円。
短い旅ですが、現金を幾ら持っていったら良いのか分からず、とりあえず1,000NOKを持って行きました。が、実際は現金は必要がありませんでした。電車の切符からコンビニの支払いに至るまで、クレジットカードで済んでしまいます。非常に便利。
ただ、物価は非常に高いと思いました。コーラの330mlか500ml缶で30NOK~35NOK、約500円です。パンも日本なら100円台のものが300円はします。なので、だいたい2.5倍の値段なのかな、と思いました。こういう物価の高い国で、皆さん無事に生活している。少し不思議に感じました。