【計画】
昨年度のCQ誌に、ドイツ・フリードリヒスハーフェンで行われる「Ham Radio」の記事が載っていました。各地から著名なDXサーも参加するような祭典と言うことで、一度は行ってみたいな、と思い立ちました。折角行くのなら電波を出せないかな? と、いつもながらの思いが出て来て、運用の申請をして見ました。
今回はハム有名国ですので、観光9:QRV1の気分で、持って行くのはKX-2にして電池で運用、できればFT8を遣ってみようかな? と思っていますが、慣れていないので857かもしれません。
10W operation at 14MHZ or 18MHZ with small MV .
[ライセンスについて]
ドイツは日本と相互運用協定がありますが、申請の方法が分からず、JH0CJHさんのHPを参考にさせていただきました(いつもながら、感謝です)。
ドイツは、一週間以内の運用なら無償でライセンスを発行してくださるそうで、関係書類を送付した2週間後、郵便でテンポラリーライセンスが送られてきました。6ページに亘る立派なライセンスで、携帯がしやすい手帳サイズでした。大変親切な対応で、心より感謝しております。
[運用編] 今回は旅の時間順番で書いており、多少変ですが、ここに載せます。
[5月30日]
ツークシュピッツェから戻った後、リグの動作確認を兼ねてセッティングを行い、20mのFT8とCWをウォッチしてみましたが、ほとんど信号がありません。CWは3局聞こえたのみ、FT8は信号無しです。どういう訳か日本でもFT8は信号無しだったので、あるいはどこかやり方が間違っているかもしれません。明日もう一度確認する予定です。CWも聞こえたのはほんの数分でした。(交信はCW1局のみ)
40mの小型アンテナも持参したのですが、何故か5.3Mhzくらいで同調し、上エレメントを縮めても7MHZで同調しません。どうも理屈が分からない・・・。
[6月2日]
夕食後にセッティングを行ったら、7MHZCWで凄く勢いよく信号が流れています。が、コールは「CQ TEST」でコンテスト参加局のようでした。(FDでした)
これは困ったな、と思いながら、少しでもQSOしておこうと思って遣ってみたのですが、さすがにプアアンテナのQRP局では厳しく、何度も問い返しが来ます。あまりに申し訳ないので、4局QSOした時点で終了とすることにしました。
[観光編]
5月29日羽田発のANA便で、ミュンヘンに着きました。11時間半程の飛行時間ですが、新型の787は椅子の前後間隔も広く快適で、食事も良かったです。やはり日本の飛行機がいいですね。映画も日本語で見れましたし、アテンダントの方も若くてチャーミングで親切でした。写真はミュンヘン空港の出口(入口)です。
空港からミュンヘン中央駅までDBに乗ったのですが、30分とちょっと。驚いたことに、ここでは切符を持っていなくてもホームに入れ、電車にも乗れてしまうんですね。どうやって管理しているのだろう? 検札の乗務員さんも見かけませんでした。人間の善意を信じているということでしょうか?
片道11.6ユーロでした。
ミュンヘン中央駅付近のホテルを採ったので、中央駅で降りたのですが、外に出てみたら市電が走っていました。駅前は、ごく普通の感じで、どうも綺麗感がありません。雲が厚いせいかもしれませんが、何となく街にくすんだ感じがします。タバコを吸っている人も多く見かけるし、賑わいというのがあまり感じられない。却って不思議な感じがしました。
(花いっぱいのお伽の国のミュンヘン!を期待していたので、なんとなく肩透かしを食った感じがします)
明日はツークシュピッツェ(ドイツ最高峰)に行ってくる予定です。
[5月30日] ツークシュピッツェ登山
昨日のうちに、中央駅の予約センターで「ミュンヘン駅からのツークシュピッツェ登山往復切符」を手に入れ、8時半発のインスブルック行きの電車でミュンヘンを出発しました。(降りるのはガーミッシュ・パルテンキルヘン駅です)昨日の夜は長い時間、雨が降ったので、天気がどうかと心配したのですが、予報では晴れ。ただ、駅を出発する時には下の集合写真のように、空には厚い雲が覆っていました。切符は66ユーロでした。
(車窓からの写真をいくつか載せます)
ミュンヘンを出て1時間ほどしたら晴れて来て、ガーミッシュ・パルテンキルヘンでは、かなり晴れ間が多くなりました。ここで電車を乗り換え、更にGRAINAUで登山電車に乗り換えます。登山基地となるのはEIBSEEで、ここには素晴らしい色の湖があり、ロープウェイでダイレクトに上がるか、登山電車に乗ったまま2560mまで上がり、そこから別のロープウェイで山頂に上がる方法が選択できます。むろん登山も可能だそうですが、かなり難易度が高いと、ものの本に載っていました!
ツークシュピッツェは標高2962mですが、下りにロープウェイから観察した限りでは、とても3000m未満とは思えないほど急峻な山でした。
ロープウェイを使って、山頂のすぐ横まで行けました。また、そこから一番高い場所にも歩いて行けるのですが、梯子のある岩場のすぐ下の10mほどの雪の斜面が難物で、上り下りが交差するため、だいぶ時間が掛かりました。
(下りが難しい。素手を雪に入れて体を支えて降りたので、すっかり冷えて痛くなるほどでした)
ロープウェイ終点は多くの人で混雑しており、年配の方も沢山来ていました。杖をついておられる方も多かったです。この山の人気が伺えました。(写真は左から、登山電車終点、ロープェイから見た山頂、最高点、最高点からのロープウェイ終点の建物と展望台、です)
登り側を登山電車で2560mまで行ったので、帰りは山頂⇔EIBSEEまでをダイレクトに繋ぐロープウェイで降りてきました。
EIBSEEの標高は960mで、こちらのロープウェイは2000mの標高差を一本で結んでいます。山を刳り貫いてトンネルを掘り、登山電車を上まで走らせる、という発想も凄いですが、こういうロープウェイを目の当たりにすると、技術力の凄さにも驚嘆しますね。
写真のように、ロープウェイで下る頃には雲が湧いて、EIBSEEからは山頂は見えなくなっていました。
帰りはEIBSEEから、全くの逆ルートでミュンヘンに戻りました。ちなみに、DBの電車ではやはり検札がありました。
(ミュンヘンとインスブルックを結ぶ路線は、駅の間隔から言うと特急列車のような運航の感じでした=郊外では各駅に止まるのですが・・・)
ミュンヘン中央駅 8:32出発
ガーミッシュ・パルテンキルヘン 9:54
(ツーシュクピッツェ鉄道へ、駅で乗り換え) 10:15発
EIBSEE駅 10:45
ツークシュピッツェプラッツ(登山電車終点)11:24
山頂 12:00頃
下って EIBSEE 12:30頃 13:15発で、ミュンヘン中央駅には15:30頃に戻れました。
※5月31日から6月2日朝までは、ザルツブルグに滞在予定です。
(写真)ツークシュピッツェ鉄道駅の建物、ホーム、ELBSEE、山頂のロープェイ駅横に立つ小屋
[6月2日] ザルツブルクからフリードリヒスハーフェンに移動
朝の電車でザルツブルグを発ち、フリードリヒスハーフェンに向かいました。8時15分に出発して、到着は13時06分予定。
ザルツブルク⇒ミュンヘン⇒ウルム⇒フリードリヒスハーフェンの経路で、2回乗り継ぎになります。
写真はザルツブルクの駅のホームから見たウンタースベルク山。あいにく、今朝は雨降りです。昨日は夜に雷が凄かったので、或は、と思ったのですが、やはり今日は雨になりました。
下の写真は、左から、
1)電車乗り換えで降りたウルム駅=よく纏まっていて活気がありました。
2)ウルムからはディーゼルカーでしたが、時速100kは出ていますね。
3)降りる駅を間違って、5分手前の空港駅で降りてしまいました! 田舎の小さな駅です。
4)フリードリヒスハーフェンは飛行船の故郷。空に浮かんでいました。
[HAM RADIO 2018]
空港からタクシーで一旦宿に入り、それから本来降りるはずだったStadt駅までバスで出て、更に別路線のバスで、会場であるメッセに向かいました。地図上はメッセは空港の隣にあったので、宿も空港の出口から近い所に取ったのですが、メッセは空港出口とは反対側に当たり、結局、大きく迂回することになってしまいます。宿からあれこれ1時間近くかかりました。(バスは市内は2.2ユーロのようですが、Stadt駅からメッセまでは、イベントのある間は無料とのこと)
写真左から、
1)メッセ入り口。料金は1日で11ユーロでした。
2)どこから来たの? の大盤がありました。YOKOHAMAのすぐ隣にピンを指しておきました。
3)QSLカードが並びます。ドイツの方が多く、後はスイスやポーランドなどヨーロッパ局。
JAからも数枚、参加がありました。私は・・・、忘れてきちゃったんですよね!
4)会場は広く、ハムフェアよりもゆったりした感じです。
今回は荷物を宿に置いてきたので、重いものを持つことなく、快適でした。
展示はほとんど東京でのハムフェアと同じですが、ドイツやポーランド、スイス、スロベニアなどの連盟の展示が大掛かりでしたね。日本からは唯一、JARL東海支部の方が来られていて、小さなブースで説明を行っていました。今回は次回のための予行演習のような感じだそうです。
実は昨年、セイシェルに行った際に宿の件などでJQ2GYUさんにお世話になったこともあり、お会いしてお礼を述べておきたかったのですが、今年は来ておられないそうで、アイボールは叶いませんでした。ですが、今回は、東海支部の方々にお会いでき、そのあとで夕食もご一緒出来て、非常に楽しい時間を過ごすことが出来ました。彼らは8月のハムフェアにも来られるそうで、楽しみの予約もできました!
写真は、
1)JARL東海支部のコーナー
2)YOTAの写真撮り周りメンバー(すごく元気が良かった!)
3)Hilberlingという会社のトランシーバが、未来的デザインと高周波回路の洗練された実装で
私には興味が湧きました。
4)ボーデン湖の夕暮れ。
[6月03日] マイナウ島観光
当初はこの日はHam Radioの予備日としていたのですが、昨日の見学で満足したので、今日は何しようかな? と考え、ボーデン湖畔の有名な場所を見てくることにしました。
ですが問題が二つあって、一つは、インターネットで調べてもスケジュール感がよく分からないということ。
フルードリヒスハーフェンから出発する観光記事で日本語の記事、というのはあまりなく、あれこれやっているうちに、コンスタンツからの記事があったので、そこからの類推でスケジュールを決めることにしました。
二つ目は荷物があること。今日はホテルを出てしまうので無線機材をガラガラと運ばなければなりません。基本的に、観光なら観光、無線なら無線としないと、旅は上手く行きませんね。
で、本当は世界遺産のレイヒェナウが良かろうかと思ったのですが、フェリーの時間がどうしてもよく分からず、記事では、コンスタンツから更にバスで行かねばならぬようにも見え、15時頃には空港に戻らないと日本に帰れないこともあって、そこよりは近場のマイナウ島にしました。
(後で調べたのですが、フェリーでの往復は可能ですが、フリードリヒスハーフェン帰着が16:20となり、飛行機に間に合わない感じでした)
マイナウは庭園が良い、とのことで、その世界では結構有名な場所だそうです。
バスでボーデン湖畔に出て、BSB運航のフェリーで出発しました。
フリードリヒスハーフェン⇒ハンナウ⇒メアースブルク⇒マイナウの経路で、9時出発10時45分着でした。チケットは往復で43.9ユーロ。
写真は左から、
1)ボーデン湖畔。対岸はスイスになります。(目ではしっかり、雪を頂いた山が見えます)
2)乗った船
3)船窓からのボーデン湖畔
4)メアースブルクのフェリーを降りたところ
行ってみると、マイナウは割合どこにでもある感じの観光施設、という感じがしました。(動物園もあるような観光アイランド、ですね) 帰りは単純に来た道筋を逆方向に帰りましたが、片道2時間ほどだったので、もう少し事前に念入りに調べてレイヒェナウに行って来た方が良かった気がしています・・・。世界遺産には世界遺産の意味があります。
写真は左から、
1)マイナウ島の建物
2)カモさんがのんびり
3)気温27度。お花の時期は過ぎつつありましたが・・・。
4)帰りのフェリーが遣って来た。
ツェッペリン博物館
フェリーでフリードリヒスハーフェンに戻ったら、午後1時ちょっとくらいの時間でした。バスで空港までは、だいたい20分くらいなので、時間がまだ十分あり、ツェッペリン博物館を見て回りました。例のヒンデンブルク号で有名な、ツェッペリン伯爵の出身がこの街です。
ツェッペリンさんは最初は飛行船が有名なだけかと思ったのですが、車や飛行機、船、機械など何でも設計/開発した凄腕エンジニアだったんですね。中には空力の説明などもあって、大変勉強になりました。
入場料は9ユーロ。博物館の二階がツェッペリン号の実際の構造を模した造りで、軽量化に如何に苦労したかが伺えます。この飛行船がアルゴンガスで飛んでいたら、あの事故もなかったかもしれませんが、水素ガスはやはり危険です・・・。
写真は左から(関心のあるものしか撮らなかった)、
1)V2号
2)車! (大型です。現代の車の2倍くらい大きい)
3)気に入った飛行船のデザイン。天空の城ラピュタを思わせる!
4)人工衛星
今回の帰りは、フリードリヒスハーフェンから国内便の飛行機でフランクフルトに飛び、空港で乗り換えして、羽田行きの国際便に乗りました。(チケットはANAで、フリードリヒスハーフェンから羽田までの便が取れます)
私にはこれが一番便利に思いましたが、JARL東海の方々はチューリッヒ経由とのこと。湖の向かいがスイスで、フェリーを使えばとても便利、とのことでした。
帰りに寄ったフランクフルトの空港は大変大きかったですが、国内便をAゲートで降り、国際便のあるBゲートに向かう途中にイミグレーションがあって、あっさり通過しました。凄く便が良いなあ、と感じました。さすが、合理的なドイツらしい造りだなあ、と感心しました。
また、フェリー乗り場や駅でうろうろしていたら、困ったことがあるのかい?と親切に声を掛けてくださる方があり、こうした幾つも親切をいただきました。とても感謝しております。